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睡眠の質は、最初の90分のノンレム睡眠が1番重要と言われており、ここの部分の眠りをいかに深くするかで睡眠の質は変わってくることがわかっています。
年齢を重ねることで睡眠の質が悪くなったり、仕事で頭が疲れているのに、体が疲れていないと眠れなかったり・・・など睡眠に関しての悩みは深刻です。
また、誰しも少なからず悩まされた経験があるのではないでしょうか?
そこで寝つきが悪いという悩みについて、主な原因や今日からすぐに実践できる改善方法をご紹介していきたいと思います。
INDEX
簡単に言えば、頭のオンオフの切り替えスイッチが、うまくいっていないことが原因だと言われています。
ストレスが多く、頭が常に忙しい状態が続いていたり、寝る直前までパソコンやスマホやテレビを見ていて、ブルーライトを浴びてしまっていたり、夜間の飲酒やカフェインの摂取が原因だったり、翌日にイベントや発表会などで緊張することがある場合などは、このオンオフの切り替えスイッチがうまくいかず、寝つきが悪くなってしまいます。
ある国内製薬会社が20代から60代の男女4万人に実施した大規模な調査では、月に1回以上「寝つきの悪さ」を感じている人は、約半数のおよそ47%にものぼるそうです。
え?呼吸?と思われる人もいるかもしれませんが、一度試してみて欲しいのは「478呼吸法」です。
これを提唱したと言われているのはアンドルーワイル博士で、アリゾナ大学医学部の教授で薬用植物の世界的権威としても知られる博士です。
この呼吸法は呼吸を止めてゆっくり息をする方法で、ストレスや不安を感じているときにアドレナリンの影響で、呼吸が早く浅くなる場合などに有効です。
①4つ数えながら鼻から息をゆっくり吸い込む。
②7つ数えながらゆっくり息を吐いていく。
③息を止めて7つ数える。
④8秒かけてゆっくり口から息を吐いていく。
●ポイント
何も考えずに呼吸のことだけを考えるということです。
呼吸を整えるだけで、なかなか寝付けない人も寝付くことができるようになるため一度試してみてくださいね。
睡眠の質を上げるための食事は、朝食にトリプトファンを含むものを食べるようにすることから始めてみましょう。
なぜ、トリプトファンが含まれるものを食べるようにすると、睡眠の質が向上するのでしょうか?
実は、食事から摂取したトリプトファンは午前中に光を浴びることにより、体の中でセロトニンを産生します。その後、夜の間にセロトニンがメラトニンを合成することがわかっているのです。
このメラトニンが別名睡眠ホルモンと呼ばれており、老化防止や抗がん作用などの抗酸化作用や体温を下げ眠りにつきやすくする作用などの役割があると言われています。
メラトニンがしっかり作れる体になっていれば、睡眠・覚醒リズムの調整にとても重要な役割を担っているため朝ごはんは意識する必要があります。
メラトニンへ変換するためにビタミンB6も必要となるため、バナナ入りヨーグルトや卵かけご飯、納豆ご飯などはビタミンB6+トリプトファンの最適セットといえるでしょう。
これらは睡眠に最高の朝ごはんです!
アメリカのコロンビア大学の実験によると、睡眠の質を上げるためには、「食物繊維が豊富で低脂肪、低糖な食事」がベストだとわかりました。
いつも7−9時間眠っている30〜45歳の男女26人に、4日間研究室で指定された健康的な食事を食べてもらい、5日目に自由に食事をとってもらいました。
食事内容によって、それぞれ人の睡眠に関してどのような差が生じるのか観察したところ、5日目に「食物繊維が豊富で低脂肪、低糖の食事」をした人は寝つきが早く、かつ眠りが深くなったことがわかりました。
それに対して、「高脂肪で糖分の多い食事」をした人は、寝つきが悪い上に眠りが浅くなったことがわかったそうです。
また、オーストラリアの大学の調査でも同様の結果がわかり、睡眠の質を高めるためには「低脂肪で低糖な食事」をする方が良いようです。
今日から少し意識するようにしていくと良いかもしれません!
睡眠中に無駄な体力を使わないために、睡眠時に消化活動が終わっている状態にしておくのが重要です。
自律神経が整っていないと眠りが浅くなってしまいます。
先ほど、トリプトファンを体の中に入れることは大切ということを取り上げましたが、トリプトファンの生合成に関わる成分の1つ「アンスラニル酸ジメチル」が芳香分子で、爽やかでフレッシュな香りの柑橘系アロマであるマンダリンに含まれていることがわかっています。
寝つきが悪いなと思う人は、一度マンダリンのアロマオイルを枕カバーに垂らしてみたり、香りを嗅いで眠りにつくと効果的でしょう。
柑橘系は全体的に爽やかでフレッシュな香りですが、お子様にも人気の甘めな香りで、精神や神経系の緊張を和らげるということだけでなく、消化促進作用もあるため、消化器系の体調を整える作用もあります。
マンダリンだけでなく、ストレスを緩和する作用のあるクラリセージや、疲労や肩こりが酷く寝つきが悪い人に最適なヒノキの香りなどは、就寝前に香りを嗅ぐことで眠りの質が高くなりやすく、寝つきが良くなることがわかっています。
あまり意識したことのない人も多いかもしれませんが、質の良い睡眠をとるためには実は寝室の環境づくりはとても大切。
寝室を18−19度に設定し、寝る前に十分な換気をすることから始めましょう。
睡眠時には、完璧に光を遮断して寝るために、3時間前には部屋を暗めにすることをお勧めします。
また、寝室に入る時にしっかりと睡眠スイッチが入れられるように、寝室は寝る目的以外には使わないようにしましょう。
睡眠薬というと、本格的に眠れなくて、気分まで昼間落ち込んでしまう人や、睡眠障害を患っている人が飲むものといったイメージが強く、なかなか不眠でも病院やクリニックで薬を出してもらう選択をする人は少ないでしょう。
睡眠薬までいかなくても、気分の高ぶりを鎮めて自律神経を整え、寝つきをよくしてくれる漢方薬などであれば、ドラッグストアなどでも購入しやすく、取り入れやすいと思います。
ストレスや精神不安がある人の不眠症や神経症を改善する漢方薬です。
睡眠の質を改善すると考えられており、精神を安定させる働きがあります。
服用していくうちに、少しずつ睡眠の質を改善していく漢方薬となっています。
寝つきが悪い人に出される漢方薬です。
一度試して見るのも良いかもしれません。
海外ではメラトニンのサプリメントが主流ですが、代謝促進、睡眠の質を高めてコロナの後遺症予防にもなる5ーALAを成分として配合しているものがおすすめです。
5ーALAは、元々体の中で作られるアミノ酸の1つですが、年齢とともに低下していきます。
これをサプリメントとして摂取することで、体内のミトコンドリアの活性が上がり、睡眠の質も高めてくれることがわかっています。
こちらもドラッグストアなどで何種類か置いてあるので、一度足を運んでみてみるのも良いかもしれませんね。
ぜひ、今日からでも実践できそうなものがあれば取り入れて、人生の3分の1の時間を費やすと言われる睡眠の質を高めていきましょう!
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