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GLP−1について、聞いたことはあるでしょうか?
もともと私たちの体の中にあるホルモンの1つになります。
GLP-1は、食事をきっかけに分泌されるホルモンで、体内ですぐに分解されることがわかっています。
GLP-1ダイエットは、「このGLP-1を増やして痩せやすい体にしていこう!」というもので、GLP-1の食欲を抑制する3つの作用によって、自然と食事制限ができる仕組みになっています。
食事制限について、ストレスに感じてしまう人にとってはとてもお勧めの方法です。
では、この3つの作用とはどんな作用のことでしょうか?
INDEX
満腹感をあたえて食欲を抑える作用があります。
食事をすることで、GLP-1が小腸に働きかけ、血糖値をコントロールします。
食物が胃から腸へ早く送り出されるのを抑える作用があるのです。
ポイントは、内臓脂肪にもアプローチしてくれて、血圧・血糖・コレステロール値などの健康リスクにつながる内臓脂肪を減少していく効果があるということです。
GLP-1は、胃の働きをゆっくりにするため、胃のムカつきや不快感、嘔吐などが出ることがあります。
ですが、こういった症状は1週間がピークで、その後に使い続けると軽減していくことがほとんどなので安心して継続していけます。
以下の方は、GLP-1を服用できない可能性があるため、必ず医師に相談するようにしてください。
もともとGLP-1は少し前にも触れていますが、体内ですぐに分解されてしまうものです。
そのため、効果は数分しかなく、同様の効果をもつ薬の開発がされ、それをGLP-1受容体作動薬と呼びます。
●効果
GLP-1と同様の作用を持ち、血糖値を改善させる効果をもつということです。
●副作用
悪心や食欲減退の副作用があります。
基本的に1日1回処方量を自分で皮下注射する必要があります。
そのため、操作が不安な人は難しい点があるかもしれません。
●効果
減量効果と長期的な効果については、2年間の追跡研究で報告されているものとして、開始1年後に「ビクトーザ」2.4mg〜3mg治療に切り替えて、開始2年後までの経過をフォローアップしたところ、開始2年後に7.8kgの体重減少を維持できてメタボリックシンドロームの状態が約59%減少したことがわかっています。
●副作用
下痢・便秘・吐き気など胃腸症状、激しい腹痛や背部痛など膵炎、震え・冷汗・動悸・倦怠感などの低血糖症状が報告されています。
●費用
1本約30000円から50000円と言われています。
今は1週間に1度のタイプの注射薬「オゼンピック」も出ており、これは1回約20000円から30000円とより高価な場合が多いようです。
●使用方法
1日1回同じ時間、食前・食後のどちらかに注射する。
同じ時間帯に使用することで、体内のGLP-1濃度を一定に保ち、より高い効果を発揮することが可能です。
①注射器の差込口をアルコール綿で吹き上げる
②付属の針を差込口に装着する
③針先を上に向けて空打ちをする
④投与する量にダイヤルを合わせる
⑤注射部位を消毒し、垂直に針を刺す
⑥注入ボタンを押し、6秒以上針を刺したままにする
⑦注入ボタンを押したまま針を抜く
●効果
食事制限なし、運動なし、我慢なしという点と、注射ではないため取り入れやすいという点から、使う人によってはGLP-1注射より効果があるという人もいるようです。
これについては、効果に個人差はありますが、3ヶ月~6ヶ月で5kg~10kgの体重減少が期待できると言われています。
日本国外では、肥満症の治療薬として広く用いられている薬です。
日本国内では、GLP-1ダイエットといえば、「GLP-1注射」が主流でした。
2021年の2月ごろに「リベルサス」が発売され、世界で唯一の内服GLP-1受容体作動薬となり、主流は「リベルサス」に変わりつつあると言われています。
ある学会で発表された研究結果によると、「リベルサス」の成分と「GLP-1注射」の成分を比較した研究で、「リベルサス」の体重減少が注射薬の約3倍だったとの報告もされています。
●副作用
下痢・便秘・吐き気など胃腸症状、激しい腹痛や背部痛など膵炎、震え・冷汗・動悸などの低血糖症状が報告されています。
●費用
1日1錠の服用で、1ヶ月分が約15000円から20000円とされています。
●「リベルサス」の服用方法
「リベルサス」は、空腹時に3mg→7mg→14mgのいずれかを1日1錠飲むだけで簡単です。
お薬が効きにくくなった気がするという人や、一度一時的にやめてみようかなと思う人などは必ず医師と相談しながらの継続にしていきましょう。
本来のダイエットは、食事制限や運動を並行させることが一般的で主流になりますが、痩せホルモンの分泌を促す「リベルサス」は生活習慣を変えるのが難しい方におすすめです。
・時間がなくて運動することができない
・食事量を減らしても全然痩せない!とお悩みの方
・食欲が多いわけでもなく、食べる量に変化はないのに太ってしまったという方
→代謝が落ちて太りやすくなってしまったことが原因。
この場合は、「リベルサス」が代謝を上げてくれるため、一度試してみるのも良いかもしれません。
・更年期でお腹周りに肉が付いてしまったという方
→「リベルサス」は、お腹周りの脂肪を減らす効果が認められています。
GLP-1ダイエットをやめると、それまで得られていた効果が徐々に薄れていきます。
最低でも、2~3か月続けることを推奨します。
「リベルサス」は最近になってオンライン診療という形をとり、直接通院できない状態でも、オンライン診療に対応しているクリニックでは処方してもらうことができるようになりました。
このことから、続けやすい環境は整っております。
但し、副作用で飲み続けることや注射の継続が難しいと感じる人は、すぐに処方医への相談が必要ですが、一度試しに休薬してみたいという人については休薬のタイミング等について、都度医師や薬剤師などに相談してみるのをお勧めします。
「リベルサス」のみでなく、注射タイプのGLP-1ダイエットのお薬についても、一度休薬してまた再開するという人もいます。
このようにGLP-1ダイエットについては成功率が高いことで知られており、注目されているのが現状ですが、間違った情報についてたくさん出回っているのも事実です。
我慢や努力については、一切なし!などの謳い文句がSNS上で飛び交っている場合もありますが、何もせずに自動的に痩せていくという考えは持たないようにしましょう。
また、薬を使うリスクについても同時にしっかり頭に入れておくことが必要です。
気持ち悪さがでたり、口の渇きが酷く続けられない方がいることも事実。
どんな薬についてもリスクがあることを知っておきましょう。
海外でポピュラーな薬としての宣伝がされている場合もありますが、欧米で肥満治療への使用で承認されていることは事実であっても、高度肥満の場合となっております。
一般的なダイエットでポピュラーな薬ではないことも知っておきましょう。
睡眠不足、偏った食事、全く体を動かさないなどの生活習慣の見直しが必要な場合には、まずはそこから始めることもとても大切です。
自分の生活習慣の見直しをして、リスクと効果をしっかりと理解した上で、抑えられない食欲やどうしても食事制限だけでは脂肪が落ちないなどダイエットとして行き詰まってしまった場合には、選択肢の1つとしてぜひ考えてみてくださいね!