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ピルについて、知っている人は多いですが、自分がどのような場合にピルを選択肢として考えると良いのか、説明できる人は少ないこともまた事実です。
様々な効果が期待されるピルですが、ピルはそもそもどのようなもので、どういった効果や注意点があるの?と改めてまとめてみました。
INDEX
ピルは、月経の周期をコントロールしている卵胞ホルモンと黄体ホルモンという2種類の女性ホルモンを合わせた錠剤のことを指します。
卵胞ホルモンや黄体ホルモンは、一定のリズムで増えたり減ったりを繰り返しながら月経周期をコントロールしており、ピルはこの月経周期をコントロールする目的で使われます。
ピルを服用すると卵巣の働きを休ませることができ、排卵を起こさないように調節ができるため、以下の効果が期待できます。
また、ピルにより、子宮内膜の肥厚を防ぎ、着床しにくい状態になるため、性行為の際、子宮内への精子の侵入を妨げる効果もあると言われています。
主に、ピルに含まれる女性ホルモンはエストロゲンとプロゲステロンの2種類ですが、開発された時期や含まれているホルモンの量や種類により主な用途が異なります。
エストロゲンの量が1錠中50μgより多く、現在は副作用のリスクが高いことから、中用量ピルか低用量ピルを用いることが一般的です。
エストロゲンの量が1錠中50μg含まれており、主に緊急避妊のアフターピルや月経周期をずらす目的で使われることがほとんどです。
低用量ピルと同様、避妊効果も高いですが、低用量ピルと比べてエストロゲン量が多いため、吐き気や不正出血などの副作用リスクが高く出る場合が多いのが難点です。
この点が、低用量ピルと中用量ピルの1番異なっている点だといえます。
緊急避妊用のアフターピルとして使う場合には、性交後72時間以内の服用で77%から80%の避妊効果があると言われています。
●プラノーバル
72時間以内にプラノバール2錠を吐き気止めと一緒服用し、その12時間後に同量をもう一度内服
●ノルレボ
72時間以内に多くは吐き気止めと一緒に1錠内服
エストロゲンの量が1錠中50μg未満で、主にPMS(月経前症候群)の改善や避妊などに使われることが多いとされています。
また、低用量ピルは開発された時期により、世代別に分かれています。
一相性(21日分の実薬に含まれるホルモン量が一定のもの)
●ルナベルLD
●フリウェルLD
フリウェルLDとルナベルLDは製薬会社の違いはあっても、全く同じ成分のピルとして知られています。
三相性(生理周期に近いホルモン配合で、1シート中で3段階配合量が変わるもの)
●シンフェーズT
シンフェーズについては、サンデースタートピルと言われており、最初の1錠を日曜日から内服をスタートして、消退出血となる生理が週末にかからないよう工夫がされています。
これらは、経血の量が少なくなり、生理痛緩和に最も適しているとされています。
三相性
●トリキュラー
第一世代のピルと比較した場合に、エストロゲンの総量が少なくなっていることが特徴です。
生理サイクルがよりコントロールされていることから、ピルを内服している間に起こる不正出血の出現率が、第一世代よりも低いとされています。
●ラベルフィーユ
トリキュラーのジェネリック医薬品。
●アンジュ
飲み忘れを防ぐため、偽薬が入った28錠のタイプと偽薬が入っていない21錠のタイプの2種類があり、自分のライフスタイルに合わせた選択が可能です。
第二世代の特徴は、生理周期をコントロールしやすく、第一世代よりも吐き気や頭痛の副作用は出にくいとされていますが、男性ホルモンのアンドロゲンが強く出る傾向にあるため、皮脂分泌量が増えることで、ニキビが出来やすい傾向にあります。
一相性
●マーベロン
●ファボワール
マーベロンのジェネリック医薬品です。
デソゲストレルという黄体ホルモンが含まれており、これが男性ホルモンを抑えてくれる働きをすることから、第三世代の一番の特徴とされるニキビなどの肌荒れ改善に効果が期待されます。
一相性
●ヤーズ
実薬が24錠で休薬期間が4日間となっており、月経困難症の治療目的で保険適応です。
●ヤーズフレックス
連続内服によって月経回数をできるだけ減らすことが知られています。
120日間連続投与(月経がきません)可能な低用量ピルです。
月経困難症の治療目的で保険適応です。
ドロスピレノンという黄体ホルモンが配合されており、一般的にはホルモンの量が30μg未満の超低用量ピルとして知られています。
避妊効果が期待できると言われている最小限のホルモン配合量で作られているのが特徴です。
エストロゲンの配合量も少ないことから、授乳中の人や35歳以上の人でも服用できることでも知られています。
利尿ホルモンを主要ホルモンとして作られているため、副作用としてよくある浮腫みが起こりにくいとされていて、一時的な体重増加も起こりにくく、体重増加が嫌で飲みたくないと思われている方は飲みやすいでしょう。
保険適応とされているのは、PMSや生理にまつわるトラブルの改善に対してのみとされており、避妊目的での処方はおこなわれていません。
第一世代から第三世代とは異なり、重大な副作用として血栓症が報告されています。
エストロゲン配合量が少ないため、血栓症リスクは少ないと思われていましたが、何故か起きやすいとされています。
オンラインサービスで買えるようになったピルは、本当に安全なのでしょうか?
ピルについては、1シート目を内服した人の約15%に少量の出血が続くなど、不正出血が出る場合があります。
しかし、これはホルモンバランスが原因と考えられているため、ホルモンバランスが安定するとされる2シート目が始まる頃には、ほとんどの出血が治る場合がほとんどです。
吐き気や浮腫みについても多い副作用として報告がありますが、生活に支障をきたさない場合がほとんどとされます。
中には、継続が難しい場合もあり、ピルの種類変更や服用中止になる場合もあるため、注意も必要ですが軽微なものがほとんどです。
また、吐き気については、吐き気軽減のための1つの方法として、食直後に内服する方法もあります。
ピル服用において、最も気をつけなければいけない副作用を知っていますか?
それが血栓症です。
どこかで聞いたことがあるかもしれませんが、ピル服用による血栓症については、ふくらはぎを流れる静脈に起こる場合があり、ふくらはぎや太ももが腫れて強い痛みが出て時には、命に関わる重大な血栓症を引き起こす場合もあります。
発症率については、ピルを服用していない場合と比較すると、約2倍から3倍とされており、一見危険性がとても高くなるように思いますが、妊娠中や分娩後は4倍から8倍とされるため、発症頻度はそれほど高くないことがわかるでしょう。
40歳後半や若い人でも、1日15本以上喫煙をする人においては、血栓症リスクが高まる研究報告があるため注意しましょう。
実際オンラインで購入した場合は、病院で処方された場合と比較して値段はどうなのでしょうか?
主に、病院で処方される場合は、診断名によっては保険診療が適用されるため、一部負担金のみでピルが服用できる場合があります。
その場合には、1500円程度のことが多いのですが、オンライン購入の場合は、保険適用とならない場合がほとんどのため、低用量ピルだと約1ヶ月分で3000円程度とされています。
中用量ピルやアフターピルは、病院に通院した場合でも保険診療が使えないため、中用量ピルで5000円〜7000円程度、アフターピルで1万円前後の金額が多いでしょう。
ここまで、ピルの注意点や飲むタイミングや種類などまとめてきましたが、今までピルを飲んだことがない人も、自分の症状やケースに合わせて注意点を頭に入れた上でピルを選択してみるのが良いかもしれません。
ぜひ参考にしてみてください。
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