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皆さん、ご存知ですか?
タバコを吸うことで余計にストレスを作りだすことを!
タバコは、吸うとストレス解消になると思っている方がほとんどだと思いますが、実は違うんです。
タバコを吸うことで、以下の疾患リスクが上昇することが今までに沢山報告されています。
タバコの煙の中には、たくさんの有害物質が混ざっており、末梢の血管収縮をさせてしまうニコチンは依存性があり、タールは発がん性があります。
一酸化炭素により赤血球の酸素運搬障害を起こして、咳や痰が出てしまうことがわかっています。
喫煙は、歯にも影響を与えていて、歯の表面へヤニが付着したり、歯茎への着色が発生し、口腔がんの発症率についても3倍になるのです。
このような喫煙によるデメリットを知ることについては、禁煙を始めるモチベーションとなります。
タバコがとても好きだから、到底禁煙は考えられないという人も中にはいるでしょう。
しかし、普通にタバコを吸うよりも、周囲が煙を吸ってしまう受動喫煙の方が有毒だとも言われており、受動喫煙を予防していくため社会ではさまざまな対策がとられています。
街のカフェやレストラン、公共施設などでも建物内で「分煙」となっていたのが、今や「禁煙」となっているところがほとんどで、建物の外の決められた喫煙スペースでの喫煙しか認められていないところがほとんどとなっています。
禁煙治療は、2006年からニコチン依存度の高い患者さんに対して保険適応がされており、以下の項目全てを満たす人に対して保険適応内での治療が可能とされています。
・ ニコチン依存症スクリーニングテスト(TDS)が5点以上の人
・ ブリンクマン指数(1日の喫煙本数✖️喫煙年数)が200点以上の人
・ 直ちに禁煙することを希望している人
・「禁煙治療のための標準手順書」に則った治療について説明を受けて、同意ができる人
これらの項目を全て満たす場合には、飲むタイプの禁煙薬と貼るタイプの禁煙薬どちらかで禁煙治療を進めていくことになります。
また、禁煙治療については医療費控除の対象となっており、全額自己負担となる自由診療においても、禁煙治療費が「医師による治療」とみなされ、医療費控除の対象となります。
スタートする方法は決して難しくはなく、チャンピックスを3ヶ月間内服してその間に5回ほど医師の診察を受ける必要があります。
●効果
喫煙から得られる満足感や充足感、爽快感などを抑制でき、タバコをやめたことによるイライラや集中できない、落ち着かないなどの離脱症状を軽減することができます。
また、タバコを吸いたくなる強い切望感や欲求を軽減できることがわかっています。
1日2回の飲み薬で、チャンピックスの治療を受けた喫煙者の約65%が禁煙に成功しています。
一昔前までは、ありませんでしたが、今や禁煙の手助けをしてくれるアプリが簡単に手に入る時代です。
禁煙治療用のアプリですが、自宅で1人で実践することはなかなか難しいという時に、2020年12月より禁煙外来でアプリが処方されるようになりました。
喫煙者のスマートフォンにインストールして使用することができます。
このアプリについては、自分で吐く息の中の一酸化炭素濃度を測定して、喫煙状況をモニタリングできる器械を組み合わせた製品で、心理行動面から禁煙のサポートをしてくれます。
一般的には、禁煙が開始されるタイミングで処方されて、24週目まで使用するようになっています。
禁煙外来の治療プログラムで設定されているのは約12週間ですが、また再び喫煙を・・・ということを防ぐ目的で24週目まで使用できるように設定されています。
これまで、医療機関でしか呼気の一酸化炭素濃度は確認することができなかったのですが、このアプリの普及によって、自宅でも一酸化炭素濃度が毎日確認できるようになりました。
自分も禁煙外来の担当医師も禁煙できていることをしっかりと確認できるようになります。
また、それだけでなく、ストレス対策として役立つ知識などを動画等でみることができたり、禁煙を続けるために日々の行動や感じたことを日記として記録することができる機能もあるようです。
タバコとの別れは孤独との戦いだと言われますが、一人で禁煙に向かう強い味方になってくれそうです。
禁煙を開始して、2~3日をピークに、ニコチン依存性が高ければ高いほど、身体症状や精神症状のどちらについても離脱症状が起こります。
その後も、約10−14日間ほどは続くことがわかっています。
離脱症状を抑えて禁煙成功率を上げていかなければなりません。
この症状が現れることで、禁煙を持続させることについて難しく感じてしまうことが多いのです。
その症状が現れても1日中続くことは少なく、長く続いても3分から5分です。
そのため、その時にタバコの代わりになるものを事前に考えておくなどをすることで、急な喫煙欲求にも対処が可能となります。
喫煙習慣はこのようにニコチン依存症という病気だということをしっかりとまずは理解した上で、禁煙治療について考えていく必要があります。
自力で取り組んだ場合の禁煙成功率は、わずか10−20%ほど。
治療による成功率については、70−80%まで向上することがわかっています。
治療による禁煙の方が比較的楽に、より確実に禁煙が成功するため、ぜひ選択肢の中の1つとして考えていくようにしていきましょう。
・朝起きてすぐにタバコが吸いたくなった場合
→代わりに顔を洗って気を紛らわせてみる
・食後に一服したくなった場合
→歯磨きで口をすっきりさせる
・コーヒーとタバコが恋しくなった場合
→コーヒーを紅茶に変える
※紅茶に変えるだけでタバコ欲求が少なくなるようです。
・車の中でタバコが吸いたくなった場合
→大声で歌って気を紛らわせる
・アルコールとタバコが恋しくなった場合
→アルコールと一緒に冷たい水を置き、吸いたくなったら飲むようする
忙しくて、なかなか定期的な受診が難しいという人にとって、市販の禁煙補助薬はとても強い味方です。
市販の禁煙補助薬にはニコチンパッチと呼ばれる貼り薬と、ガムタイプの禁煙補助薬があります。
禁煙に向かうのに、壁となるのがニコチンの離脱症状です。
その離脱症状を和らげてくれるのが以下の禁煙補助薬です。
このニコチンパッチについては、ニコチンを少しずつ補給して、ニコチン切れの症状を和らげる貼り薬です。
小さいサイズであれば、薬局で購入することが可能なので手軽さが売りです。
一度試してみるのも良いかもしれません。
ガムタイプの禁煙補助薬についても、離脱症状を和らげる効果があります。
また、それに加えて口寂しさで、どうしてもタバコに手が伸びてしまう場合に有効なのがこのガムタイプ。
ニコチン入りのガムを噛むことによってニコチン切れの症状を和らげてくれる効果があります。
薬局で購入できるのでこちらも同じように手軽で取り入れやすいですね!
自分一人で頑張って禁煙する!と頑張っても、いくつか壁にぶつかってしまい、なかなか成功までの道のりが遠のいてしまうといった場合はたくさんあります。
意志の強さだけではどうしても難しく、「依存」について正しく理解することもとても重要になってきます。
民間の禁煙カウンセリングを使ってみたり、同じ禁煙中の仲間と意見交換してみたり、人からの支援をうまく使うことも大切なことであることを頭に入れておいてください。
ここまで、禁煙が成功する方法についてお伝えしてきましたが、習慣になってしまってなかなか禁煙できない!という人は、是非いずれかの方法を選択して禁煙してみてください。
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